世界のCSIRTから ~エチオピア、ルワンダ~

世界のCSIRTから vol.3

JPCERT/CC国際部の登山です。2022年12月にアフリカのエチオピア、ルワンダの2カ国のCSIRTを訪問したので、ご報告いたします。

エチオピア

首都アディスアベバにて、エチオピア政府のMiNT(イノベーション技術省)、INSA(情報ネットワーク・セキュリティ管理局)、その配下のEthio-CERT[1]に訪問しました。

職員の方々と記念撮影

Ethio-CERTの分析では、昨年に続き、今年もサイバー攻撃の観測量が激増しているそうで、その要因について興味深い議論ができました。余談ですが、会議中にいただいたコーヒーの味わいに驚きました。エチオピアはコーヒー発祥の地とされているそうです。別の場所で伝統的なコーヒーセレモニーを体験したときの写真を本記事のサムネイルにしました。

ルワンダ

首都キガリにて、ルワンダ政府の NCSA(国家サイバーセキュリティ庁)、その配下のRw-CSIRT[2]に訪問しました。 Rw-CSIRTが現在の組織体系となったのは2020年12月のことで、訪問直前の2022年11月にFIRSTに加盟した新しいCSIRTです。比較的若い職員が多いと感じました。現在は国家的なサイバーセキュリティ能力開発プログラムの導入や、職員の増員を計画しているそうです。

CDC(サイバーディフェンスセンター)現地調査

今回の出張では、日本人エディターが中心となって考案され、2021年にITU-Tで採択されたX.1060 Cyber Defence Centre[3](以下「CDC」という。)というサイバーセキュリティオペレーションのフレームワークが、アフリカの地で普及する余地があるかどうかを探る現地調査を行いました。訪問先ではCDCについて興味関心を寄せていただき、おおむね好意的な反応を得ることができました。JPCERT/CCは、今回の調査で得たフィードバックや課題をもとに、引き続きCDCの普及啓発、認知向上活動に取り組んでまいります。

CDCロゴ入りオリジナルグッズ

IGF(インターネットガバナンスフォーラム)

アディスアベバで開催されたIGF 2022[4]という国際会議に参加し、各セッションの合間に参加者に話しかけて人脈を築いていきました。

会場となった国連カンファレンスセンターの大広間

同時通訳に使うレシーバー、木製の机、投票用のシステムなど、テレビでしか見たことのない設備に少し緊張しましたが、実際はたまに笑いも起きるようなリラックスムードのなかで議論が進行しました。

レセプションディナー

ガラディナーとは別に、国連のアフリカ経済委員会の敷地内でもパーティーが開かれました。民族音楽が流れ、人々は踊り、日中とは雰囲気が全く異なります。京都開催が決まったIGF2023でのおもてなしにも期待が高まります。

国連加盟国の旗がずらり

サッカーW杯開催中だったこともあり、はためく国旗を見ながら世界でがんばる日本人の活躍を祈りました。今回の出張ではタクシーに本当によく乗ったのですが、日本の健闘を称えてくれる運転手さんが多くいました。

エチオピア航空機に搭乗

現地の人々に交じり、アディスアベバからキガリの深夜便に乗りました。

出張を終えて

きらびやかなカンファレンスとパーティー、その会場の一歩先に出ると野良犬、建設ラッシュのビル群に、バラック小屋の並ぶ市場で働く女性たち…。街の一角一角がいろいろな表情をたたえており、新鮮に映りました。イメージしていたアフリカと、実際に訪れた2カ国とでは気候、治安、ネットワーク環境を含むインフラなどにも差がありました。そして、どちらの国でも、現地の優しい人々に出張を支えていただいたと思っています。(歓迎されているかどうかは時と場合によるかもしれませんが…。)アジア人女性という立場で、思い通りの行動をとることがどうしても難しい場面があるものの、それでも私にできることはあったと思いますし、これからもあるのではないかと感じました。

国際部 登山 昌恵

参考情報

[1] Ethio-CERT
https://ethiocert.insa.gov.et/web/guest/home

[2] Rw-CSIRT
https://cyber.gov.rw/rw-csirt/

[3] ITU-T X.1060 : Framework for the creation and operation of a cyber defence centre
https://www.itu.int/rec/T-REC-X.1060-202106-I

[4] IGF Ethiopia 2022
https://www.intgovforum.org/en/content/igf-2022

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